【インプレ】PINARELLO GAN RS 2018年モデル 徹底解説 外観編

昨年12月上旬にRSが納車されて以降、なかなか時間の取れない状況だったことに加え、天気の方もあまり良くない日々が続きました。しかし、先日それらの条件をクリアし、漸くその撮影を行うことが出来ました。というわけで、2018年最初は「PINARELLO (ピナレロ) GAN RS 2018年モデル 徹底解説」と題して紹介記事をお送りしたいと思います。

因みに、この紹介記事は内容が多いので複数回に分ける予定です。第一弾は「外観編」です。

ピナレロ購入までの一連の流れは、カテゴリー「ピナレロ購入計画」をご参照ください。

車体データ

モデル:PINARELLO (ピナレロ) GAN RS 2018年モデル

カラー:130/LA ROSSA(ラ・ロッサ)

サイズ:51.5

コンポーネント:Shimano Ultegra R8000 (11s、フロント52/36T、リア11-28T)

オプション:4℃REST (クレストヨンド) ガラスの鎧(自転車専用のクリスタルコーティング)

全体の外観

全体(右斜め正面)

全体(右側面)

全体(右斜め後ろ)

基本デザインは、2017年モデルのものを継承しつつ、そこからさらに改良した形。ベースカラーは先代譲りのマットブラック(表面が少し光沢があるように見えるのは“ガラスの鎧”を施工しているため)。そこにグロッシーレッド(光沢のある赤色)が所々に入り、良いアクセントとなっている。このレッドカラーに関してだが、先代の2016年モデル及び2017年モデルよりもその面積が増え、より存在感が増している。かといって、派手過ぎるというほどレッドカラーが多いということもなく、その絶妙な比率により万人受けするデザインにまとまっている。さらに、これは実際に実物を比べたわけではないが、先代と比べて、より明るい赤が採用されている?(DOGMA F10 167/ブラックラバと同じ赤?)。そのためか、非常にコントラストが際立っている。

そして何より、所々にあるMAGIX(マジックス)デザインにより、DOGMA F10(以下、F10)に寄せたデザインとなっていることは特筆すべき点だろう。これはGANシリーズの中でも、最上位のGAN RSだけの特徴である。

各部詳細

ハンドル・ステム

エアロハンドルとエアロステム(真上)

エアロハンドルとヘッドチューブ(正面)

ハンドルは、アルミ製のエアロハンドル MOST Jaguar XA。ステムも同様に、アルミ製のエアロステム MOST Tiger。バーテープもMOSTの赤黒ツートンカラー。

ヘッドチューブ正面には、ピナレロのロゴマークと当該カラーである「LAROSSA」の文字が入っている。

エアロステム(右側面)

専用のコラムスペーサーはカーボン製。ちょっとだけ得した気分。

フロントフォーク

フロントフォーク ONDA F8

フロントフォークには、先代同様、DOGMA F8(以下、F8)と同じONDA F8が採用されている(ただし、マテリアルはT900)。形状が独特の流線形で、後方がFlatBack(俗に言う「カムテール形状」)になっている。さらに、フォークの根元部分に関しても、空力性能を向上させるため、フレームとフォークが一体化したような形状になっている。流石に、DOGMA F10と同じ、ForkFlap(フォークエンド部分のリア方向への出っ張り)のあるONDA F10は採用されることはなかったようである。ひょっとすると、次期モデルでは採用されるかもしれませんね。

その一方で、フォーク側面にはF10と同じMAGIXデザインが取り入れられている。

フロントフォーク側面(拡大)

また、その下に浮き出て見えるカーボン模様がまた美しい。レッドカラーの入り方も、F10にとても良く似ているが、より赤い面積を増やした形だ。内側の赤い部分には、「PINARELLO」のロゴが入っている。

トップチューブ・ダウンチューブ

各部に広がるMAGIX(マジックス)デザイン

GAN RSのMAGIXデザインは、フロントフォーク側面とトップチューブ上部及び側面にあるのはF10と共通しているが、その他、ダウンチューブ上部とシートステー側面(後述)にも存在する。ここがF10と違う点である。

トップチューブのMAGIXデザイン(拡大)

トップチューブのMAGIXデザインの下もカーボン模様が透けて見える。

FlatBackが採用されたダウンチューブ

ダウンチューブもまた、F8同様、FlatBackになっている。F10では、より空力性能を考慮した、ボトルケージ取り付け部分が少し凹んだ形になっているが、流石にそれも採用されることはなかった。やはり、F10は他のモデルとは一線を画すようだ。

先代の2016年モデル及び2017年モデルでは、シリーズ名である「GAN」の文字は、シートポスト側面にあったが、2018年ではダウンチューブ上部に移動した。個人的には、以前の位置の方が好みだったかな。

ダウンチューブ下部のPINARELLOのロゴ

ダウンチューブ側面及び下部には、大きく「PINARELLO」の文字が並ぶ。これに関して、実際に至近距離で見てから初めて気づいたことがある。それは、カタログや遠目での写真では単に白文字にしか見えないが、

ダウンチューブ側面(拡大)

至近距離で見ると、実はホワイトとシルバーの2色のライン模様になっている。これに気付いたときは思わず「凝ってるなぁ~」と感心してしまった。他にあまり至近距離で撮影したロゴの写真を見たことがないので、先代のGAN RS、その他GANやGAN Sも同じようになっているのかどうか分かりませんが、少なくともF8では同じようなデザインになっている模様。

サドル・シートポスト・シートチューブ

フィジーク・アンタレスR7

サドルは、フィジークのアンタレスR7。座り心地等の使用感に関してはまた別記事にて。

フレームのリア部分

シートポストはフルカーボン。

シートポスト及びシートチューブ側面にはグロッシーレッドが入り、その上に「RS」と書かれている。これは先述の通り、先代とは異なる点である。そして、後方から見ると、上から「PINARELLO」「LAROSSA」「GAN RS」の文字が縦に並んで見える。

シートクランプは内臓式。F8、F10では調整ネジは後ろ側だが、GANシリーズの場合前方にある。

シートチューブ背面のPINARELLOのロゴ

シートチューブの背面にも「PINARELLO」のロゴが入っており、もはや何もない面はないというくらいの徹底ぶり。そして、シートポストからこのシートチューブにかけても、当然のごとくFlatBackになっている。

ボトムブラケット周辺

ボトムブラケット周辺

もはや説明するまでもないが、剛性を高めたボリューム感のあるボトムブラケット(BB)まわり。最近のカーボンバイクは大体皆こんな感じですよね。「PINARELLO」の文字が入った赤いリングが良い感じにアクセントとなっている。

シートステー・チェーンステー

シートステー ONDA RS

シートステーは、フロントフォークと同じように緩やかな流線形になっているONDA RS。その独特な形状に加え、側面のMAGIXデザインが目を楽しませてくれる。

シートステー側面(拡大)

ここも至近距離でよく見ると、その下のカーボン模様がはっきりと見える。基本的に、MAGIXデザインのある所はその下のカーボン模様が透けて見えるようだ。

シートステーも同様にFlatBackになっている。

チェーンステー内側のPINARELLOのロゴ

シートステー及びチェーンステーの内側にはグロッシーレッドが入っており、そのうちチェーンステー側には「PINARELLO」のロゴも入っている。

タイヤ

PINARELLOのロゴの入ったタイヤ

タイヤは、VittoriaのZAFFIRO PRO 700x25c。1本2000円程度の安いトレーニングタイヤではあるが、側面に「PINARELLO」の文字が入った特注品である。因みに、カタログ重量は260g。

ホイールは、シマノのRS010。

総評

基本的なフレーム構造は先代から変わってはいないが、デザインは正統な進化を果たしたと言える。その一要因として、F10にも採用されているMAGIXデザインの追加は大きい。これにより、F10に次ぐセカンドグレードとしての存在感が増し、GANシリーズの中でも一線を画す形となった。また、細部にこだわりも見られ、デザインの完成度としては非常に高いように思われる。

今回はフレームのみに焦点を当てたが、コンポ(R8000)に関してはまた別記事にて紹介する。(→フォトギャラリーを公開しました!2018年1月8日更新

【フォトギャラリー】ULTEGRA (アルテグラ) R8000

2018.01.08

次回は、重量編をお送りします。(→重量編を公開しました!2018年1月17日更新

【インプレ】PINARELLO GAN RS 2018年モデル 徹底解説 重量編

2018.01.17

 

※尚、今回撮影には下記の機材を使用しました。

・Canon EOS Kiss X7

・GIZA PRODUCTS ディスプレイスタンド(リア引っ掛けタイプ)