先日18日、ピナレロ2019年モデルが一般公開されました。各々のグラフィックはピナクラブジャパンをはじめ、各販売店のサイト等で確認できるかと思います。一応、下記にピナクラブジャパンの各ページリンクを載せておきます。
因みに、ピナレロジャパンオフィシャルサイトでは7月2日頃に公開されるようです。
ピナレロジャパンHPでの2019モデル情報の更新は7/2頃になります。ご不便をお掛けしますがよろしくお願いいたします。
なお、各販売店、スポーツサイクル情報サイト等では新製品情報を公開しております。そちらもご参照ください!— PINARELLO JAPAN (@PINARELLO_JAPAN) 2018年6月19日
昨年は元々購入する予定だったということもあり、そのラインナップやデザインに注目していましたが、今年は自身の購入したモデルがどのように変わっているのか、「ひょっとして2018年モデルよりもカッコ良くなっているんじゃないか?」なんてことを考えながら注目していました。というわけで、今年もその新モデル(F10を除く)を見た時の率直な感想なんぞ書こうかなと思います。あくまで一個人の感想であることをご承知の上でご覧下さい。
因みに、昨年の2018年モデルについての感想はこちら↓
PRINCEシリーズ
2019年モデルの中で一番の注目は、やはり何と言ってもこのPRINCE(以下、プリンス)でしょう。これまでのGAN RS及びGAN Sが廃番となり、かつて名を馳せた彼のプリンスがその姿をガラリと変え、F10に次ぐ新たなセカンドグレード・サードグレードとして返り咲きました。GANシリーズも登場から既に3年が経過していたので、てっきり名前はそのままでフルモデルチェンジされるものだと思っていましたが、まさか名前を変えてくるとは思いませんでした。意外でしたね。正直、GAN RSオーナーとしては自身の所有するモデルが廃盤になったことは少し残念に思いますが、ピナレロを昔からよく知る方にとっては今回のプリンスの復位は歓喜だったかもしれません。
新生プリンスは、F10に採用されている技術を二つ受け継いでいる。コンケーブ(凹)ダウンチューブとForkFlap(フォーク先端部の後方への出っ張り)である。しかしそれ以外にも、F10には無い技術も採用されており、単純にF10の下位互換というわけでもないのが面白いところ。 例えば、前輪に沿ってカーブしたダウンチューブ。元はと言えばBOLIDE TTに採用されているものだが、F10には無い特徴である。あとは、ブレーキ部分の凹み。これは完全オリジナル。現時点で、プリンスのみの特徴と思われる。コンケーブ状のダウンチューブと及びFork Flapを採用しただけでも十分な正統進化と思われたところを、プラスアルファでさらに改良を加えてきたところを見ると、かなりの力の入れようである。その特別扱いぶりがうかがえる。
グラフィックに関しては、やはりPRINCE FX(以下、プリンスFX)において、2018年モデルのGAN RS同様、フラグシップであるF10のデザインを取り入れてきた点が注目すべき点だろう。そう、グラデーションカラー。F10の他、COLNAGO CONCEPT、GIANT PROPEL等、最近フラグシップモデルでもちょくちょく見かけるようになりました。ここ数年間、迷彩柄が流行っていましたが、今後はグラデーション柄流行るのではないかと個人的に予想しています。そんな流行りを取り入れたプリンスFX。
カラーラインナップは、グラディエントヴルカーノ(黒基調のオレンジ→イエロー)、グラディエントフルオライト(黒基調の黄緑色→蛍光イエロー)、ボブメタル(ブラック)、レッドホワイト(赤基調のホワイト→シルバー)の4色展開。レッドとスカイブルーのグラデーションが無い点が少々残念と言ったところか。来年以降のマイナーチェンジに期待したい。個人的には、2016年モデルのGAN Sであったウルトラマンカラーが復活した点が地味に注目すべき点なのではないかと思っている。
そういえば、結果的に2018年モデルのF10とGAN RSに採用されたドット柄のMAGIX(マジックス)は一年限りのデザインでしたね(F10のマイウェイカラーオーダーでは健在ですが)。これも少し残念に思った点。私は結構気に入ってるんですが…。
それと今回、プリンスFXにはデュラエースDi2モデルも存在するのだが、価格がほぼ100万。その価格なら、もはやF10買った方がいいのでは?と思った人はきっと私だけではないはず。
一方、下位のPRINCE(以下、プリンス無印)の方は、カーボンレッド、BOB、ホワイトオレンジの3色展開。グラデーションカラーではないものの、プリンスFXには無いレッドカラーがあり、こちらも注目度が高い。しかも、こちらは表面のカーボン模様が大きく、より強調されたデザインとなっており、カーボンロードを持っているという実感と周囲へのアピール度に関して言えば、プリンスFXよりも優位である。マテリアルも東レT700カーボンとそれ程硬くなく、値段もプリンスFXよりもフレームセットで18万円程安くコストパフォーマンスが高いので、こちらの方が色々な意味で親しみやすい。
また、プリンスにはディスクモデルも存在する。それがPRINCE DISKである。これまでT600カーボンをマテリアルに採用したGANにディスクモデルはあったが、T700カーボンを採用したディスクモデルは今回が初。ディスクモデルが台頭してきている昨今、こちらを選んでも良いかもしれない。フレームセットを買って、ディスクにも対応した新105で組んでも面白そう。
GAN
GAN RS及びGAN Sは廃番になりましたが、無印のGANは継続。形状はそのままで、カラーを刷新といった具合である。カラーラインナップは、ダークネイビー、レッド、BOBの3色展開。全身赤のレッドはピナレロ全ラインナップの中でもなかなか希少。そして、安定のBOB。とりわけ最新の技術や機構に興味がないのであれば、こちらでも良いだろう。あるいは、快適性を重視するならT600カーボンを採用しているGANは十分候補に入る。
RAZHA
ピナレロといえば、この形。DOGMA 65.1と同じ特徴的なフォークとリアステイを採用したモデル。依然として、この形状を好むユーザーは多いらしい。
新色として追加された「ブラックマッド」が割と良い。シルバーのロゴがマットブラックに非常に合っており、高級感が感じられる。シェイプは変わらず?
因みに、RAZHAのアルミ版的ポジションだったNEORは廃番になりましたね。マテリアルが異なるにも関わらず、RAZHAとの価格差があまりなかったので、統合したということでしょう。
ANGLIRU
お手頃なグランフォンド(長距離ライド)向けバイク。
シェイプもカラーラインナップも変わらず?おそらくコンポの105は、最新のR7000のものに更新されると思うが…。プリンスの開発に力を注ぎ過ぎた影響か。
PRIMA
低価格なクラシックロードバイク。
NEORが廃番になったことで、ピナレロ唯一のアルミロードバイクとなったPRIMA。人気のBOBカラーもラインナップ。最大の魅力は、何と言ってもその価格。通勤通学や日常ユースに限定するならば、選択肢に入り得る。
総評
今年は「プリンス躍進」の一言に尽きますね。機能面に関して言えば、完成度はかなり高いと思います。プリンスはF10の下位モデルになるわけですが、F10に負けず劣らずと言っても過言ではないと思います。逆に、それ以外のモデルに関しては、あまり目立った変更や新規追加はありませんでした。そこはもう少し頑張って欲しかったかなとも思います。
因みに、もし仮に私が2019年モデルの中から1台買うとしたら、おそらくPRINCE DISKを選んでいたことでしょう。ブラック&レッドカラーで、適度な硬さのT700カーボンを採用していることに加え、先日UCIが発表したアジェンダ2022によりディスクブレーキは今後本格的に普及していくと予想されるので。
最後に、これら2019年モデルのラインナップを見た上で、昨年GAN RS(2018年モデル)を購入したことを後悔していないかどうかということについてですが、正直全く後悔していないです。むしろ、あのGAN RSを購入して良かったと思っています。いや、本当に強がりとかではなく。確かに、F10のテクノロジーを受け継いでいる点などはすごく羨ましいなと思うのですが、如何せん、最初にデザインを見た時にビビッっと来なかった。あのGAN RSを見た時には「コレダッ!」って感じでビビッと来たんですよ。まあ、単純に個人の好みの問題だと思います。しかし、好みって難しいですよね。何故なら、必ずしも購入を検討している年に自分好みのデザインをメーカーが作ってくれるとは限りませんから。場合によっては、その年を見送って次の年に賭けるという手も…。その辺は、やはり博打要素になってしまいます。その点、昨年たまたま私の好みにマッチしたあのGAN RSに出会えたことは幸運だったように思います。